小笠原レース2025で優勝とLINE HONOR賞を獲得されたCrescent IVの平井スキッパーから参戦記をご寄稿いただきました。Crescent IVチームのお喜びの声とこのレースに参加される魅力を書いていただいております。ぜひご覧ください。


小笠原レースの素晴らしさ
2025/5/28
Crescent IV平井昭光
小笠原レースは、沖縄東海ヨットレースに比肩する素晴らしいレースだと思う。距離は沖縄東海の方が長いものの、八丈島から小笠原父島までの大海原を渡っている感覚と、太平洋の大きなうねり、そして通り過ぎるいくつかの低気圧は沖縄東海に負けない厳しさをレースに与えている。
今回、小笠原レースに参加するにあたって、JOSAの主催するサバイバルトレーニングに乗艇するメンバー全員で参加した。東京付近在住のメンバーばかりだが、北九州のトレーニング専門施設に赴き2~3日間缶詰での受講。実際にプールに入りラフトをひっくり返したり、消火作業をしたり、様々な救助・救難用の装備に触れたり、学ぶことはとても多かった。このようなサバイバルトレーニングに加え、船の整備と点検、セールのチェックと修理、ロジスティックスや食料その他の検討、本当にロングレースに参加するのは大変。
しかし、今回、風にも恵まれ(潮は向い潮がほとんどだった)、チームメンバーの頑張りもあり、望外の結果を得ることができた。長く準備してきたことが報われた瞬間である。どんなプロジェクトでもそうだが、準備している時間が一番長く苦しい。そして、喜びは一瞬である。でも、その一瞬に賭けるからヨットレースも人生も素晴らしいのだと思う。これからも、たくさんのセーラー、そしてチームがこの素晴らしい伊豆・小笠原の海域で活躍することを祈り、希望する次第である。
Crescent IV 小笠原レース2025成績:優勝(着順1位)/ LINE HONOR
所要時間:78時間29分19秒(3日間6時間29分19秒)
平井氏提供写真





サバイバルトレーニングの様子(JOSA提供)





